
車の購入は、人生における大きな買い物のひとつです。
特に初めて車を購入する方にとって、契約や納車までの手続きは複雑で分かりにくいと感じるかもしれません。
中でも「車庫証明」は、多くの方がどのタイミングで取得すればよいのか迷う手続きの代表例です。
「車を買うのが先?」「それとも車庫証明を先に取るべき?」といった疑問をお持ちではないでしょうか。
この記事では、車購入を検討している方に向けて、車庫証明を取得する最適なタイミングと具体的な手続きの流れを徹底的に解説します。
新車と中古車での違いや、軽自動車の場合の手続き、買い替え時の注意点まで網羅的に触れていきます。
この記事を読めば、車庫証明に関する疑問が解消され、スムーズに愛車を迎える準備が整うでしょう。
【結論】車庫証明は車購入の手続き中に取得する
結論から言うと、車庫証明の申請は「購入したい車を決定し、売買契約を結んだ後」に行います。
車庫証明は、車をきちんと保管する場所があることを証明する書類であり、その申請には購入する車の情報(車名、型式、車台番号など)が必要になるためです。
つまり、「車庫証明の取得」と「車の購入」は別々の手続きではなく、車の購入プロセスの中に車庫証明の取得が含まれていると考えると分かりやすいでしょう。
①購入したい車を決めて売買契約を結ぶ
まずは、ディーラーや中古車販売店で乗りたい車を探し、購入する車を決定しましょう。
そして、販売店との間で売買契約を締結します。
この契約をもって、正式にその車を購入する意思が確定します。
この段階では、まだ車庫証明は必要ありません。
契約が完了すると、販売店が車の確保や登録準備を開始します。
②車の情報が確定してから車庫証明を申請する
売買契約を結び、購入する車の車台番号などが確定した時点で、車庫証明の申請準備に入ります。
車庫証明の申請書には、購入する車の情報を正確に記入する必要があるため、このタイミングでの手続き開始が最適です。
- 申請者
- 車の使用者本人
- 手続きを代行するディーラーや行政書士
- 申請場所
- 駐車場(保管場所)の所在地を管轄する警察署
自分での申請や、販売店や専門家に代行依頼も可能です。
③車庫証明が交付されてから車の登録・納車へ
警察署に申請書類を提出し、不備がなければ後日「自動車保管場所証明書(車庫証明)」が交付されます。
この交付された車庫証明は、運輸支局で車の登録手続き(ナンバープレートの取得)を行う際に必須の書類となります。
車の登録が完了して初めて、公道を走行できるようになり、晴れて納車の日を迎えるという流れです。
つまり、車庫証明がなければ、車の登録も納車もできません。
新車も中古車も基本的な流れは同じ
車庫証明を取得するタイミングや手続きの基本的な流れは、新車でも中古車でも変わりません。
| 項目 | 新車の場合 | 中古車の場合 |
| 手続きの開始タイミング | 売買契約後、メーカーから車台番号が発行されてから | 売買契約後、対象車両の車台番号が確定してから |
| 基本的な流れ | ①契約 → ②車庫証明申請 → ③登録・納車 | ①契約 → ②車庫証明申請 → ③登録・納車 |
このように、購入するのが新車か中古車かによって手続きの順番が変わることはありません。
どちらの場合も「契約が先、車庫証明の申請は後」と覚えておきましょう。
車庫証明の取得に必要な書類と申請手順
車庫証明の取得には、いくつかの書類を準備して警察署で手続きを行う必要があります。
ここでは、具体的な必要書類と申請手順について詳しく解説します。
申請に必要な4つの基本書類
車庫証明の申請には、主に以下の4つの書類が必要です。
これらの書類は、警察署の窓口で受け取るか、各都道府県警のウェブサイトからダウンロードできます。
- 自動車保管場所証明申請書
- 車の情報(車名、型式、車台番号など)や使用者の住所などを記入するメインの申請書です
- 保管場所の所在図・配置図
- 所在図は、自宅(使用の本拠の位置)と駐車場の位置関係を示す地図です
- 配置図は、駐車場の具体的な寸法、出入口の幅、接する道路の幅などを記入する図面です
- 保管場所使用権原疎明書面(自認書)
- 駐車場が自己所有の土地・建物である場合に提出する書類です
- 保管場所使用承諾証明書
- 月極駐車場など、他人所有の場所を借りて駐車場として使用する場合に提出する書類です
これらの書類に加えて、使用者の住所を確認するための書類(住民票の写しや印鑑証明書など)の提示を求められる場合があります。
賃貸の場合は「保管場所使用承諾証明書」を用意
月極駐車場や賃貸マンションの駐車場を利用する場合、その場所を駐車場として使用する権利があることを証明するために「保管場所使用承諾証明書」が必要です。
この書類は、駐車場の所有者や管理会社に依頼して署名・捺印をもらいます。
発行に数日かかる場合や、発行手数料が必要なケースもあるため、早めに管理会社へ連絡しておくとスムーズです。
駐車場の賃貸借契約書の写しで代用できる場合もありますが、事前に管轄の警察署へ確認することをおすすめします。
管轄の警察署での申請から交付までの流れ
書類がすべて揃ったら、駐車場の所在地を管轄する警察署の交通課窓口で申請手続きを行います。
- 必要書類の準備・作成
- 上記で解説した4つの基本書類と、その他必要な書類を準備します
- 管轄の警察署へ申請
- 平日の受付時間内に、準備した書類と手数料を持参して申請します
- 警察による現地調査
- 申請内容に基づき、警察官が実際に駐車場を確認する場合があります
- 車庫証明の交付
- 申請から数日後、再度警察署へ行き、交付手数料を支払って車庫証明を受け取ります
交付時には、申請時に渡された引換票(納付書)が必要になるため、失くさないように保管してください。
申請にかかる費用と日数の目安
車庫証明の取得には、法定費用と時間がかかります。
| 項目 | 目安 |
| 申請手数料 | 2,000円~2,300円程度 |
| 標章交付手数料 | 500円~600円程度 |
| 合計費用 | 約2,500円~2,800円 |
| 交付までの日数 | 申請から3日~7日程度 |
事前に目安を把握しておきましょう。
これらの費用や日数は、申請する都道府県によって若干異なります。
また、書類に不備があると、修正のためにさらに時間がかかるため、提出前にしっかり内容を確認することが重要です。
ディーラーや行政書士に代行を依頼することも可能
平日に警察署へ行く時間がない、あるいは書類作成に不安があるという方は、車の購入先のディーラーや行政書士に手続きの代行を依頼できます。
- ディーラー
- 車の購入と同時に依頼できるため、手間がかかりません
- 代行手数料は10,000円~20,000円程度が相場です
- 行政書士
- 手続きの専門家であり、確実かつ迅速に処理してもらえます
- 代行手数料は10,000円~15,000円程度が相場です
費用はかかりますが、面倒な手続きをすべて任せられるため、時間や手間を節約したい方にとっては便利な選択肢です。
軽自動車は手続きが違う?保管場所届出とは
普通自動車の車庫証明に対し、軽自動車では「自動車保管場所届出」という異なる手続きが必要になる場合があります。
両者の違いを正しく理解しておきましょう。
原則として車庫証明は不要、「届出」が必要になる
軽自動車は、普通自動車で必要とされる「証明(車庫証明)」ではなく、「届出(保管場所届出)」という手続きになります。
これは、軽自動車が資産として扱われない「届出制」の車両であるためです。
| 項目 | 普通自動車(登録車) | 軽自動車 |
| 手続きの種類 | 自動車保管場所証明申請(証明) | 自動車保管場所届出(届出) |
| 手続きのタイミング | 車の登録前 | ナンバー取得後15日以内 |
| 目的 | 車の登録に必要 | 保管場所を届け出る義務 |
普通自動車が「車庫証明がないとナンバーが取れない」のに対し、軽自動車は「ナンバーを取った後に保管場所を届け出る」という点で、手続きの順番が大きく異なります。
届出のタイミングは車のナンバー取得後15日以内
保管場所届出のタイミングは、軽自動車のナンバープレートが交付された後、「15日以内」と定められています。
この届出は義務であり、怠ると罰則が科される可能性もあるため注意が必要です。
中古の軽自動車を購入した場合も、名義変更などの手続きから15日以内に届出を行う必要があります。
軽自動車でも保管場所届出が不要な地域もある
軽自動車の保管場所届出は、全国一律で義務付けられているわけではありません。
人口が多い都市部など特定の地域で適用されており、村部などでは届出が不要な場合があります。
届出が必要な地域かどうかは、一般社団法人 全国軽自動車協会連合会のウェブサイトや、管轄の警察署で確認できます。
自分の住む地域が対象かどうか、事前に調べておくとよいでしょう。
車を買い替える際の車庫証明手続き
すでに車を所有しており、新しい車に買い替える場合でも、車庫証明の手続きは改めて必要です。
ここでは、買い替え特有の注意点を解説します。
駐車場が同じ場所でも車庫証明は再度必要
たとえ今まで使っていた駐車場と全く同じ場所を利用する場合でも、新しく購入する車に対して車庫証明を取り直さなければなりません。
車庫証明は、「人」と「車」と「保管場所」の3つが紐づけられた証明書です。
そのため、買い替えによって「車」の情報が変わる以上、同じ駐車場であっても再度申請し、新しい車での証明を受ける必要があります。
前の車と入れ替えで申請する際の注意点
買い替えの場合、申請書の「自動車の保管場所の状況」欄で、現在その場所に保管されている車(下取りに出す車など)の情報を記入し、「代替」として申請することがあります。
この際、注意したいのが「入れ替え車両の車台番号」を正確に記入することです。
車検証で確認し、間違いのないように記載してください。もし間違った情報を記載すると、二重駐車とみなされ、申請が受理されない可能性があります。
申請中に前の車をどうするかディーラーに相談
車庫証明の申請から交付までは数日間かかります。その間、前の車をどう扱えばよいか、事前に販売店の担当者と相談しておくことが重要です。
- 納車日まで前の車を使用する場合
- 新しい車の納車と同時に、前の車を引き渡す(下取りに出す)ケースが一般的です
- 先に前の車を手放す場合
- 納車までの間、代車を用意してもらえるかなどを確認しておきましょう
スムーズな乗り換えを実現するためにも、車の引き渡しや代車の有無など、具体的なスケジュールを販売店と綿密に打ち合わせておくことをおすすめします。
よくある質問
最後に、車庫証明に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式で回答します。
車庫証明が納車に間に合わないとどうなりますか?
納車が遅れます。車庫証明は、運輸支局で車の登録手続きを行うための必須書類です。
そのため、車庫証明が交付されない限り、ナンバープレートが取得できず、公道を走ることができません。結果として、予定されていた納車日に車を受け取ることができなくなります。
賃貸の駐車場で申請する際の注意点は?
「保管場所使用承諾証明書」の取得に時間がかかる場合がある点に注意が必要です。
駐車場の管理会社や大家さんによっては、書類の発行に1週間以上かかったり、発行手数料を求められたりするケースがあります。
車の契約後、速やかに管理会社へ連絡し、発行を依頼することをおすすめします。
また、契約期間が1ヶ月未満など、短期の駐車場契約では車庫証明が取得できない場合があるので、契約内容も確認しておきましょう。
車庫証明なしで車を納車してもらうことはできますか?
できません。
前述の通り、車庫証明がなければ車の登録(ナンバー取得)ができないため、法律上、公道を走行することが許可されません。
ディーラーがキャリアカーで自宅まで運んでくれたとしても、ナンバーがなければその車を運転することは不可能です。例外なく、納車には車庫証明が必須です。
まとめ
車購入における車庫証明の取得は、「車の売買契約後、登録・納車の前」に行うのが正しい順番です。
この流れは、新車・中古車を問わず共通です。
- 手続きの順番
- 購入する車を決定し、売買契約を結ぶ
- 購入する車の情報が確定したら、車庫証明を申請する
- 車庫証明が交付された後、車の登録手続きに進む
- 登録が完了し、ナンバープレートが交付されてから納車
- 軽自動車の場合
- 原則として「車庫証明」ではなく「保管場所届出」が必要
- タイミングはナンバー取得後15日以内
- 買い替えの場合
- 同じ駐車場であっても、新しい車で車庫証明を再取得する必要がある
車庫証明の手続きは、自分で行うこともできますが、平日昼間に警察署へ行くのが難しい場合は、ディーラーや行政書士への代行依頼も有効な手段です。
この記事で解説した流れとポイントをしっかり押さえて、スムーズな手続きで新しいカーライフをスタートさせましょう。